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素敵なダイナマイトスキャンダル

~グラフィックが、筆とフィルムから生まれていた時代~
素敵なダイナマイトスキャンダル

http://cinema.pia.co.jp/title/173223/

グラフィックデザインに「かぶれた」主人公・末井(柄本佑)が、
ピンサロの看板書きから、時代を席巻するエロ雑誌の編集長になる…、
今の時代にはとても信じられないほどのサクセスストーリー(笑)

末井の心象風景の描写は、隣の男と浮気してダイナマイト心中した母親のみ。

他の女と浮気する父親を、その娘が知ったら、父の「男」の部分を100%否定したいだろう。
しかし末井は、心中した母親の「女」の部分を、愛おしいものとして心の中にずっととどめている。

末井は「可愛い」女が大好きなんだろう。
彼の母親をも「可愛い」女だったんだろうな、と肯定しているのだ。
一方、母親が死んだ後、片親で育ててくれた父親には、何の愛情もない。

そして、母親のような「可愛い」女を、グラフィックに表現したい。
行き着いた先、それが、エロ雑誌。

イラストを手書き、写植文字を切り貼り、写真をアナログ修正…、
末井が雑誌編集長として活躍した時代は、雑誌作りも手作業の時代。
ワケわからん作業者の情念が、そのまま印刷媒体に反映されていたのは、
そんなこともあったからなのだろう。

現在のような画像修正ソフトによる、スマートな「ぼかし」修正より、
モデルの陰毛を剃ったり、手作業で写真の陰部を誤魔化したり、
当時はそんな編集側の「かわいさ」を読者も敏感に感じ、
「見えそうで見えないけど、ちょっとはみだしてる?か…」ってことに、
言いようもないエロスと興奮を感じていたのである。

読者と同じ目線、共有できるエロ、それが、当時のエロ雑誌にはあったのだろう。

映画にした題材が、とてもいい。
1970~80年代を舞台にした映画、ドラマは数あれど、
当時、日陰でこっそり咲いていたサブカルチャー、エロカルチャーを題材にした物語は、
他にない。

柄本佑は、たぶんハマり役だったのだろう、実にのびのびと演じている。
その妻・牧子役(前田敦子)も、その時代の普通の女の子を、雰囲気良く演じている。
特に、末井の雑誌が売れ、小金が入ってきたと思われる状況、
そこそこの家に住み、そこそこのペットを飼っている後半のシーン、
昔、末井と安アパートで抱き合っていた貧乏時代との対比を巧く演じている。

荒木経惟、秋山聖徳太子、南伸坊、唐十郎、そんな人達の表現、文章に触れたことのある世代には、
間違いなく楽しめる作品。
しかし、その時代を知らない若い世代をも、
少し触発できるかな、という要素もあり。

若い世代の方の感想が気になる作品。

お勧め度9(10点満点)

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プロフィール

jow

Author:jow
邦画限定、とりあえず見た映画のレビューを書く。
2016年の正月に今年の抱負として言っちゃってから半年以上過ぎて、
やっと腰を上げる。
動画配信、DVDレンタルの時に利用してくれればうれしい。
本屋さんの「店員おススメ」手書きポップ的に見てくれればうれしいなと。

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